データで知る北九州

DATA OF KITAKYUSHU

若者・子育て世代の人口流出

北九州市の推計人口は、平成12年に約100万人でしたが、年々減少し、令和2年には94万人弱となっています。
減少数でいうと、令和元年は全国約1,700の市町村の中で一番減少数が多く、特に、若者や子育て世代の人口流出は、深刻な状況です。
私自身の実感としても、同級生の過半数が大学や就職で市外へ転出が見受けられます。

皆さんの実感としてはいかがでしょうか。

また、高齢化率は全国平均を超えた30%。これは政令市一の割合であり、大都市の中でも先進的な高齢化対策が求められています。
この問題は決して「長寿」を否定するものではなく、若者・子育て世帯が流出していくことに問題があるということです。

財政危機

「財源調整用基金」とは、自治体が財源不足や緊急の支出が生じた場合に備えて積み立てている「市の貯金」のことです。

北九州市では、平成27年の322億円から年々取り崩し、令和元年度には、259億円まで減少しています。
これは、幼児教育・保育の無償化や、障害福祉サービス等の増加による扶助費(福祉の法令等に基づいて実施する医療費の援助や各種手当ての支給、生活保護費、福祉施設の運営などに要する経費)や災害対応経費が増え続けていることなどによるものです。

今後も、新型コロナウイルス感染症対策などの財政支出の増加に対して、それを補う税収で補填しなければ、市の貯金を取り崩していきます。 つまり、これまでの市民サービスを受けられなくなります。

所得の低迷

所得の指標となる、「市民経済計算(H28)」によると、北九州市の市民雇用者1人当たりの市民雇用者報酬は464万円で、人口1人当たりの分配所得は290万円となっています。
これは、全国平均の人口1人当たりの分配所得は308万円、福岡市では332万円で、北九州市の所得が低いことが分かります。
この一因と考えられるのは産業構造や人口構成の違いです。

産業構成比は、北九州市が第1次産業0.1%、第2次産業27.8%、第3次産業71.2%に対して、福岡市は、第1次産業0.1%、第2次産業8.1%、第3次産業91.2%となっています。第3次産業に大きく差があります。
また、国勢調査(H27)による若者率(15歳~29歳の人口割合)は、北九州市13.9%(政令市19位/21都市中)に対して、福岡市17.4%(政令市1位/21都市中)となっています。
所得が低い状況が続くと、学力の低下につながり、若者の市外へ転出する大きな原因となります。これは、一面的な問題ではなく、税収減少→財政危機→市民サービスの低下となるため、早急な解決策が必要です。

小中学生の学力低迷

北九州市は、認知度も低く、全国的なイメージも低い状態が続いています。皆さんはどのように感じますか?
バナナ姫ルナとして他県でPRする際に認知度がまず低いことだけでなくよく言われたことが「北九州?長崎県や佐賀県とか?」つまり、北部九州「エリア」としての認識があります。また認知度だけでなく、イメージや全国ニュースになる内容も「怖い」という悪いイメージから「住みたくない」に繋がっている方もいます。「修羅の国」という言葉をよく見受けられます。まずは、北九州市の魅力を市民が認知するシビックプライドも大切ですが、「住みたい条件」となる制度拡充とともに魅力を発信する必要があります。

住んでいるみんなが「本当に住みやすい」「市外に自慢したい子育て環境」を言える街にしていきたいです。

全国住みたいまちランキング2020(生活.com)

政令市中14位(他2都市同順位)/21都市中

シティ・ブランドランキング「住んでみたい自治体」2016(「新・公民連携最前線」日経BPヒット総合研究所調査)

政令市中15位/21都市中 全国 74位/254都市中

市民のプライド・ランキング2017(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)

お勧め度合いランキング(現在お住まいの都市について、友人知人に勧められますか?)
①全般的によいまちであること
 政令市中16位/21都市中
②住むこと
 政令市中16位/21都市中
③最も魅力的に感じる都市 自分の住んでいる都市以外が1位となった都市は、北九州市と相模原市のみ
 (他の19都市は、自分の住んでいる都市が政令市中21都市中1位と思っている。)

小中学生の学力低迷

全国調査(平成30年全国学力・学習状況調査)によると、小学生の国語以外は、全国平均を下回っています。では、学力低下がなぜ問題だと思いますか。私自身の学生時代には強く感じた問題ではありませんでした。ですが、市職員として仕事をする上で「知識」は常に求められます。それだけでなく「出産」や「離婚」「子育て」をする上でも、多くの知識が必要となりました。学力の影響は進学へはもちろんですが、就職、子育てなど、あらゆる状況下で「知識の基盤」となり、「人生の選択肢」が狭くなる可能性があるということです。
また、同調査では「所得」と「学力低下」は比例するという結果も出ています。

今こそ、未来ある子ども達に「平等かつ高度な教育環境」を提供する社会であるべきだと考えます。

投票率の低下、若者の政治的関心の低下

北九州市議会選挙の投票率は、平成元年は70.84%でしたが、減少傾向で、前回の平成29年は、39.20%まで低下しています。
この原因は、社会問題となっている「若者の政治離れ」です。実際に、10代28.90%、20代前半17.13%、20代後半18.64%、30代前半24.24%となっています。この世代は国全体の社会保障を支える「現役世代」として多くの税負担を背負い、いわばスポンサーでありながら、出資先に「意見」を言う機会を放棄しているのです。と言いながらも、私自身は恥ずかしいことですが20代前半に投票に行かなかったことがあります。それは未就学児の子育てに追われていたこと、また「一人の一票」が政策に大して影響が無いと思ったことも理由です。

これを解決していくためにも、コロナ禍を機に見直された「手続きのデジタル化」を投票においても進めていくこと。
さらに、若者へ向けた市政情報の発信や若者を対象とした政策を実現していくことが必要だと考えます。